202607

「精子の速度」について

 

皆様、「精子の速度」についてご興味関心持って頂けてありがとう御座います

 

イメージ画像や生成AI動画、顕微鏡での拡大画像などを見た事はあっても、実際に見る事ができない大きさの精子

 

そもそも早いのか、遅いのか…

元気なのか元気じゃないのか…と言葉を置き換えても良いかもしれません

 

早ければ卵子に届くまでの期間が短くなるわけですから、卵子まで到達できない精子率が少なければ妊娠率そのものも高まる可能性がありますよね

 

近年の研究では、

精子数が多ければ多いほど、スピードが速くなるという研究結果も出ております

 

 東北大学(大森俊宏助教、石川拓司教授、竹歳七海氏ら)の研究より

研究の概要

  • タイトル: “Elasto-hydrodynamic interaction of two swimming spermatozoa”
  • 掲載誌: Physics of Fluids(米国物理学協会発行)、Vol. 32, 101901 (2020)
  • DOI: 10.1063/5.0022107
    精子が複数集まって泳ぐ(協調遊泳)と、各自が作る液体の流れが互いを後押しし、遊泳速度と効率が向上することを明らかにしました
  • 横に並んだ2体の精子の場合、速度が最大16%向上する例も示されています
  • 精子数が少ない場合でも、局所的に密度が高まればこの効果が得られる可能性があり、乏精子症などの不妊治療への応用が期待されています

関連する他の研究

  • 物理的な付着(頭同士がつながる)による集団(例: 特定のマウス種)では、個体より速く泳ぐことが実験的に確認されています
  • 集団運動(dynamic clustersやmassal motility)に関する牛・羊などの哺乳類研究も複数あり、高密度で有利になるケースが報告されています

 

 

勿論、

精子は数だけの問題ではなく、妊娠につながるためには「質」も大事なわけですが

数が多いことのメリットとして、上記のように子宮の酸性の荒波の中を卵子の元までたどり着く率も上がる訳です

そのためには「質」と同様に「数」が多い方が妊娠率が高まる

それの裏付け的な研究といってもいいかもしれませんね

 

では

実際の精子のスピード感がどれくらいなのか

が、今回皆様が興味を持って下さった所か、と思います

 

以下をご覧ください!


人間の精子の泳ぐ速度は、通常1〜4 mm/分程度、1分間に1~4㎜というスピード感です

 

  • これを時速に換算すると:
    • 1 mm/分0.006 km/h6 cm/h
    • 4 mm/分0.0144 km/h24 cm/h

つまり、時速で0.006〜0.014 km/h程度(数cm〜数十cm/h)

1 mm/分 = 6 cm/h なので、
1時間で6~24cm進む計算で、つまり精子は時速6~24㎝になります

 

これは直線的な進行速度(progressive velocity)の目安で、実際の軌跡は曲がったりするので曲線速度(curvilinear velocity)はもう少し速くなりますが、それでも極めてゆっくりです

 

参考になるポイント精子1匹の長さは約50〜60 μm(0.05〜0.06 mm)なので、体長の数十倍程度の速度で泳いでいる計算になります

膣から卵管までの距離(約15〜20 cm)を泳ぐのに、1時間〜数時間かかるという感じです

 

逆に言うと

射精後、膣から卵管までの20㎝の距離を、1~数時間で到達する

という事でもありますよね

 

勿論、個体差や環境(粘度など)で大きく変わり、活発な精子はもっと速く、弱いものはほとんど動かないこともあります

 

 

 

平均的な時速にすると、歩くカタツムリ(時速数10m)よりずっと遅いレベルで

イメージ的にはハシビロコウやナマケモノに近いゆったり感ではありますが…

 

 

 

ただ…

 

精子は大きさが滅茶苦茶小さい訳です

その中の時速6~24㎝

 

これを人間の大きさで置き換えた時のスピード感を見てみましょう

 

  • 精子の長さ:0.06 mm
  • 人間の歩幅:60 cm(1歩)

 

精子は1秒間に自分の体長の0.28〜1.11倍の距離を泳いでいます

 

実際のスピードはカタツムリやハシビロコウ、ナマケモノだとしても

精子自体の大きさが小さいので、

人間換算で言うと

かなり速いペースでジョギングしている

 

つまり

よく精子が卵子に向かって頑張って泳いで行っている生成動画は間違いではない

感じになります

 

そして

時間をかけて卵子に辿り着くまでの距離感そのものが、

精子が成熟するための長い時間を確保している重要な仕組みでもある訳です

(睾丸の中で生まれてすぐに出てきている訳ではない! きちんと熟成して大人になってから表に出てきているのです!)

 


 

妊活に臨まれている皆様

男性不妊に向き合っている皆様

特に運動習慣がない男性の皆様、もしこの「精子」が自分だったら…と考えてみてください

 

数時間継続したスピードを維持したジョギングを貴方はできますか?

まさか

自分ができない事を勝手に精子がやってくれてると思ってませんか?

 

勿論、色んなお身体の状態がある訳ですから走れる事が全てではありません

 

けど

ご自分の体の状態が悪かったとしたら、「精子」の状態が悪くはない、と言い切れますか?

という話なんです

 

体質 = “体”液の“質”

 

ぜひ、

改めて精子の質を良くしていくには、自分自身の身体(細胞)の状態(質)をよくして

細胞レベルで質を上げていく事を心がけてみて下さい!

 

精子、卵子も、自分の中から生まれた一つの細胞です!

 


では、

せっかくの機会なのでもう少しだけ掘り下げ補足的に…

 

他の動物の精子と比べて、精子の泳ぐスピードに違いがあるか、を確認してみました

 

実は…

種によって大きな違いがあり、主に以下の要因で変わります

 

精子のサイズ・形状
受精環境(体内受精 vs 体外受精)
繁殖戦略(一夫一妻 vs 多夫多妻 → 競争が激しい種は速い傾向)
雌の生殖道の長さ・粘度

(主な動物の比較例(おおよその速度)速度は測定条件(媒液の粘度など)で変わるため参考値)

 

 

 

全体の傾向

 

●体外受精の動物(多くの魚・両生類):短時間・短距離で勝負するため、爆発的なスピードが出やすい

●体内受精の哺乳類:距離が長い分、スピードより耐久性が重要になる場合が多い

勿論、

同じ種内でも個体差・環境(温度、粘度)で大きく変わります

 

人間の精子は「遅い」わけではなく、人間の生殖戦略に適した速度と言えます。

 

なかなか深堀すると、これもまた興味深い進化の違いですね!

 


以上、今回は「精子の速度」について掘り下げ、他種族との違いなども覗いててみました

 

何か感想等御座いましたらメッセージ頂けたら嬉しく思います

 

今後ともよろしくお願いいたします

 

 

カルサイネイザン、ジャップカサイ インストラクター 大塚丈彦

 

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